バルセロナカンテラとは?有望株や下部組織出身の最高傑作は?日本人はいる?

こんにちは!

2022年4月5日現在、ラ・リーガを26回制覇、コパ・デルレイを最多の31回制覇するなど、スペインの中でレアル・マドリードと並ぶメガクラブとしてバルセロナは世界中にファンを持つ人気クラブです。

このバルセロナの歴史の中で独自の育成メソッドを持つ、下部組織(カンテラ)から多くの名選手が輩出されてきました。

近年特に下部組織から上がってきた選手が多くバルセロナのトップチームで活躍するようになり、スペイン代表がほとんどバルセロナのカンテラ育ちの選手で構成された時もありました。

他のクラブと比べて、バルセロナのカンテラはなぜ多くの優秀な若手選手を輩出できるのでしょうか?

そこで本記事ではバルセロナのカンテラとは一体どんな組織なのか、現在の有望株、カンテラ出身の最高傑作、カンテラに所属する日本人選手についてまとめてみました!

 

>>【関連】レアルマドリード下部組織カンテラとは?日本人は?最高傑作や有望株・出身のスター選手はだれ?

 

バルセロナ下部組織カンテラとは?

まずカンテラというのはスペインにおけるサッカークラブの下部組織のことで、そこで若い時から選手を育成し、トップチームへとデビューさせるための組織です。

主にチームのカンテラ出身者はカンテラーノと呼ばれ、ファンからは外から移籍してきた選手に比べて大いに声援を受けます。

その中でバルセロナのカンテラは、若手が住む寮の名「ラ・マシア」から、ラ・マシア又はマシアと呼ばれています。

バルセロナのカンテラには毎年1万人の選手の中からトライアルの結果で50人程度しか入団することができず、さらにその中でも将来的にトップチームに昇格出来るのは、たった10%ほどという非常に厳しい世界でもあります。

そんなカンテラの組織図は、以下のようになっています。

  • バルセロナB
  • フベニールA(U-18) , B(U-17)
  • カデーテA(U-16) , B(U-15)
  • インファンティルA(U-14) , B(U-13)
  • アレビンA(U-12) , B(U-12),C(U-11) , D(U-11)
  • ベンハミンA(U-10) , B(U-9),C(U-9) , D(U-9)
  • プレベンハミン(U-8)

 

バルセロナの下部組織は、16個のチームに分かれていて、毎年行われる選考に通らなければ上のカテゴリには上がることができずに他のクラブに移籍することになります。

逆に有望な若手は年齢が若くても関係なく飛び級で上のカテゴリでプレーする機会が与えれるように、完全に実力の世界となっています。

それでは、各カテゴリについて一つずつ解説していきます。

 

バルセロナB

トップチームの一つ下のカテゴリがバルセロナBです。

最もトップチームに近い立場のバルセロナBは、スペイン3部リーグに所属しており、年齢制限はないものの、基本的には19歳~22歳前後の選手が多く所属しています。

バルセロナBには下のカテゴリから昇格してきた選手だけでなく、日本人の安部裕葵選手のように国外のクラブなどから入団してくる選手も多く在籍しています。

トップチームに昇格するには、ここで結果を残してバルセロナBに所属しながらペドリ選手、アンス・ファティ選手のようにトップチームの練習や試合に参加して、トップチームと正式に契約するという流れが主流となっています。

 

フベニール

カスティージャの一つ下のカテゴリが、フベニールです。

フベニールには17歳から19歳までの選手がプレーしており、AチームとBチームの2つのカテゴリに分かれています。

20歳になるタイミングでフベニールに所属している選手は、バルセロナBに行くか、他のクラブのトップチームもしくはBチームに移籍するのか、それともサッカーを諦めて引退するのかという区切りを付けることになります。

カデーテ

フベニールの一つ下のカテゴリが、カデーテです。

カデーテには15歳から16歳までの選手がプレーしており、AチームとBチームの2つのカテゴリに分かれています。

2019年にはこのカデーテAから天才少年と呼ばれていたシャビ・シモンズ選手が、パリ・サンジェルマンへ移籍したことが話題になっていました。

インファンティル

カデーテの一つ下のカテゴリが、インファンティルです。

インファンティルには13歳から14歳までの選手がプレーしており、AチームとBチームの2つのカテゴリに分かれています。

久保建英選手が日本へ帰国する前、最後にカンテラでプレーしていたのがこのカテゴリでした。

アレビン

インファンティルの一つ下のカテゴリが、アレビンです。

インファンティルには11歳から12歳までの選手がプレーしており、AチームからDチームまで4つのカテゴリに分かれています。

2022年4月5日現在バルセロナのトップチームで監督を務める、元カンテラ出身のシャビ・エルナンデス監督はこのアレビンからキャリアをスタートさせました。

 

>>【関連】バルサ監督シャビの戦術と成績や評価と年俸は?現役時代はどんな選手?

 

ベンハミン

アレビンの一つ下のカテゴリが、ベンハミンです。

ベンハミンには9歳から10歳までの選手がプレーしており、AチームからDチームまで4つのカテゴリに分かれています。

2022年4月5日現在バルセロナのトップチームでプレーするガビ選手は、ベンハミンAに所属していた時代に1シーズンで96得点を決めていました。

 

プレベンハミン

ベンハミンの一つ下のカテゴリが、プレベンハミンです。

プレベンハミンには7歳から8歳までの選手が所属しており、このカテゴリは1チームのみで、このプレベンハミンが、カンテラを構成する1番の下のカテゴリとなっています。

 

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バルセロナ下部組織カンテラ所属の若手有望株

アレックス・バルデ

 

アレックス・バルデ選手は2022年4月5日現在、バルセロナBに所属する18歳のDFです。

カタルーニャの生まれのバルデ選手は、2011年に8歳でエスパニョールのカンテラから移る形でバルセロナのカンテラへ入団しました。

カンテラ入団後は順調にカテゴリを上がっていき、ベンハミンCからカデーテAまで、9つのカテゴリで国内リーグ戦制覇に貢献しています。

また、スペイン代表としても各カテゴリの代表に飛び級で選出されており、2021年9月にはスペインU-19代表に選出されています。

 

そんなバルデ選手は左サイドバックを主戦場とするプレイヤーで、圧倒的なスピードを活かした攻撃参加が魅力の攻撃的なサイドバックとして、ジョルディ・アルバ選手の後継者として期待を集めています。

既にバルデ選手は2021年9月にトップチームに怪我人が続出した際に、トップチームデビューを飾っており、ラ・リーガで4試合、UEFAチャンピオンズリーグにも2試合出場しています。

 

アルバロ・サンス

 

アルバロ・サンス選手は2022年4月5日現在、バルセロナBに所属する21歳のMFです。

サンス選手は2012年からレアル・サラゴサのカンテラでプレーしていましたが、2015年、14歳の時にバルセロナのカンテラへ移籍してきました。

そこからカテゴリを順調に昇格していったサンス選手は、2020年にバルセロナBへ昇格することになりました。

 

サンス選手の本職は中盤の真ん中でプレーする選手ですが、右サイドバックなどでもしっかりと対応することができるユーティリティ性が持ち味の選手です。

 

これまでバルセロナBでのプレーが続いていましたが、2022年1月のマジョルカ戦でに同じくカンテラ出身のニコ・ゴンザレス選手との交代でトップチームデビューを果たしました。

トップチームの中盤には同じくカンテラ出身の若手選手が多くいるので、サンス選手もその流れに乗ってトップチームで活躍する姿を見たい選手の1人です。

 

イリアス・アコーマック

 

イリアス・アコーマック選手は2022年4月5日現在、バルセロナBに所属する18歳のFWです。

カタルーニャ生まれで両親がモロッコ人のアコーマック選手は、幼少期からサッカーの才能を見せてバルセロナのプレベンハミンへ入団します。

しかしアレビンからインファンティルへ昇格するタイミングで、選考に落ちてしまい昇格がかなわず、一度はバルセロナのカンテラを退団することに。

 

退団後、ヒムナスティック・マンレサというクラブのカンテラでプレーしていたアコーマック選手は、腐ることなくその才能を発揮すると、バルセロナが昇格させなかったことの過ちを認める形でオファーを出して再びバルセロナのカンテラでプレーすることになりました。

 

その後、インファンティルからカテゴリを上っていったアコーマック選手は、2020年11月にバルセロナBでデビューし、これはカンテラ史上2番目の速さでのデビューでした。

このように一度は挫折を味わったアコーマック選手ですが、現在はカンテラの有望株としてプレースタイルがメッシ選手に似ていることからカンテラの次なるメッシと呼ばれ、大きな注目を集めています。

アコーマック選手もサンス選手と同じく2022年1月のマジョルカ戦でトップチームデビューを飾っており、これから更なる飛躍が期待されています。

 

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バルセロナ下部組織カンテラ出身の最高傑作・スター選手

バルセロナのカンテラからは、これまで現役でプレーしている選手も含めて、多くの選手がトップチームに昇格してバルセロナの栄光を築いてきました。

ここではそんなカンテラ出身の選手の中でも最高傑作と呼ばれている選手を3人紹介します。

リオネル・メッシ

 

バルセロナのカンテラ出身で世界一の選手まで登りつめたのがリオネル・メッシ選手です。

メッシ選手は13歳の時にアルゼンチンからバルセロナのカンテラの入団テストに臨むと、そこで当時の監督がメッシ選手のプレーに一目惚れして、その場で入団を決めました。

カンテラ入団後はその才能を見せつけて、1試合に1ゴールを決めるペースで活躍し、2004年10月に17歳でトップチームデビューを飾りました。

 

その後の活躍は誰もが知るように2021年に退団するまで、誰も止めることができない超人的なドリブルとどこからでもコントロールシュートが打てる左足でゴールを量産。

結局バルセロナでの17シーズンでメッシ選手は「10度のラ・リーガ、7度のコパ・デル・レイ、4度のUEFAチャンピオンズリーグを含むバルセロナ歴代最多35回のタイトル獲得」に貢献、そしてクラブ歴代通算最多得点となる672ゴールを決めて、カンテラ史上歴代最高の選手として名を刻んでいます。

 

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アンドレス・イニエスタ

 

誰もが認めるテクニックで味方もだますようなパスやドリブルを見せて、バルセロナファンを熱狂させた「魔術師」アンドレス・イニエスタ選手は12歳の時にカンテラへ入団します。

イニエスタ選手はシャイな性格だったため、カンテラでの寮生活中に何度もホームシックに陥ったといいますが、サッカーの技術はずば抜けており、当時トップチームのキャプテンだったジョセップ・グアルディオラ氏が「今まで見た中で最高の選手」と評価していました。

そんな中で2002年にトップチームデビューを果たすと、3シーズンほどはレギュラーを掴めませんでしたが、2006-07シーズンにレギュラーに定着すると、リーグ戦36試合で6ゴール、3アシストとブレイクしました。

 

その後はバルセロナの8番を背負い、ボールが足に吸い付くようなドリブルなど見事なテクニックを活かして、攻撃の中心として活躍し、2017年10月にはクラブ史上初となる生涯契約を結びました。

しかし、2018年4月に退団を発表するとホームのカンプ・ノウで大規模な退団セレモニーが開かれ、どれだけイニエスタ選手がバルセロナのファンに愛されていたのかが分かるものでした。

退団後、イニエスタ選手はJリーグのヴィッセル神戸に加入して、2022年4月5日現在プレーを続けています。

 

シャビ・エルナンデス

 

長年バルセロナのキャプテンとして、チームの黄金期を支えたのがシャビ・エルナンデス選手です。

シャビ選手は1991年、11歳の時にカンテラに入団すると、その後は順調に昇格し、1998年にトップチームデビューを果たし、デビュー戦でゴールを決めました。

 

トップチームでの2シーズン目から中盤のレギュラーに定着したシャビ選手は、バルセロナの伝統的なパスを重視するプレースタイルである「ティキタカ」を具現化したような選手だと評されるようになります。

この言葉通りシャビ選手は、長短のパスにおいて寸分の狂いもない高精度のパスを出すことができる選手で、ボールをシャビ選手に渡すところから攻撃のスイッチが入っていました。

 

最終的にバルセロナで17シーズン過ごしたシャビ選手は、25個のタイトルを獲得。

その後はカタールのアル・サッドで現役引退となり、そのまま監督に就任していましたが、2021年11月に低迷する古巣を救うためにバルセロナの監督に就任し、2022年4月5日現在チームを立て直しています。

 

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バルセロナ下部組織カンテラの日本人選手

久保建英

 

バルセロナのカンテラの歴史で初めて日本人選手としてプレーしたのが、久保建英選手です。

久保選手は小学3年生の時に川崎フロンターレの下部組織に入団しますが、2011年にカンテラの入団テストに合格すると家族と共にスペインへ渡ります。

まずアレビンCからカンテラでのキャリアをスタートさせた久保選手は、アレビンAでのプレーでリーグ戦30試合の出場で74ゴールを決めるなど脅威的な活躍を見せていました。

 

そして2014-15シーズンからインファンティルAでのプレーとなりましたが、バルセロナが2014年からFIFAにより、外国人登録や獲得方法について違反行為があったのではないかという調査を受けていました。

この違反行為としてチェックを受けていた契約選手の中に、久保選手も含まれていたためFIFAの公式な裁定が降りるまでは試合に出場できなくなってしまった久保選手は、2015年3月に出場機会を得るべくカンテラを退団して日本に帰国することになりました。

 

その後日本から再びスペインに移籍する際には、古巣のバルセロナではなくレアル・マドリードへ移籍した久保選手。

そんな久保選手はバルセロナで磨かれた足元の技術が、日本人選手としては群を抜いており、1度ボールを持てばドリブルでゴールに向かうプレーも決定的なキラーパスも出せる攻撃における万能型の選手に成長しています。

2022年4月5日現在は、レアル・マドリードからのレンタル移籍で、マジョルカでのプレーとなっている久保選手は育ったスペインの舞台で活躍する姿をバルセロナに見せることができるのかという部分にも期待ですね。

 

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安部裕葵

 

鹿島アントラーズの10番を背負った安部裕葵選手は、2022年4月5日現在バルセロナBに所属しています。

2017年に高卒ルーキーで鹿島アントラーズに入団した安部選手は、細かいステップと緩急を活かした勢いのあるドリブル突破やその突破からのチャンスメイクなどを見せて、Jリーグで活躍を見せます。

そして2019年7月にバルセロナBへの移籍が発表され、スペインへ渡ることに。

 

しかし、バルセロナBに入団した安部選手は1年目に20試合に出場するも、そのシーズンの途中に怪我で離脱すると、これまで復帰しては怪我の繰り返しで3年目の今シーズンは右足ハムストリングの手術を受けたためにチームの登録から外れてしまっています。

この後の去就は未定ですが、バルセロナBを退団するという見方が大半の予想となっています。

それでも何とか怪我を直して再びバルセロナBでプレーする姿を見たいところですね。

 

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まとめ

バルセロナのカンテラとは一体どんな組織なのか、現在の有望株、カンテラ出身の最高傑作、そしてカンテラに所属する日本人選手についてまとめてみました!

2020-21シーズンにペドリ選手やアンス・ファティ選手などが登場し、カンテラ出身の選手が少なくなっていたバルセロナに「再びカンテラ出身の有望な若手」が定着すると、今季2021-22シーズンは、ガビ選手、ニコ・ゴンザレス選手などシャビ監督の下でさらに多くのカンテラ出身選手が躍動しています。

シャビ監督の時代にはスタメンのほとんどがカンテラ出身の選手だったので、これから再びそのような時代が訪れそうなバルセロナの今後に要注目です。

 

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