こんにちは!
2021-22シーズンのUEFAチャンピオンズリーグもベスト4が出揃い、マンチェスター・シティ、リヴァプール、レアル・マドリード、ビジャレアルが勝ち上がっています。
優勝候補のチームがズラリと並ぶ中、ビジャレアルの快進撃はサプライズであり、やはり下馬評をくつがえすチームの台頭はワクワクしますね!
毎年、世界中から大きな注目を集めるCL決勝ですが、これまでに数々のドラマが生まれています。
本記事では、その歴代のチャンピオンズリーグ決勝の中から、名勝負や大逆転劇、そして決勝にまつわるジンクスなどをまとめてみました!
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チャンピオンズリーグ決勝の名勝負や大逆転劇
チャンピオンズリーグ1993-94決勝(ACミラン-FCバルセロナ)
スコア:4-0
優勝:ACミラン
UEFAチャンピオンズカップから、UEFAチャンピオンズリーグという名称に変わって2回目となった大会の決勝は、より一層注目が集まる試合となっていました。
ヨハン・クライフ監督の下、リーガ4連覇を達成し、黄金期を迎えていたFCバルセロナと対するのは、こちらもセリエA3連覇を達成し「黄金期」真っただ中のACミランであり、ミランは前年に続いて決勝へと進んでいます。
バルセロナは、現在でも受け継がれている「クライフの思想」の下、正確なパスと流動性を用いて、ボールを早く動かすことで攻守に渡り優位性を生み出す、攻撃的なポゼッションスタイルを確立していました。
一方のミランは、ファビオ・カペッロ監督の下、イタリア人監督らしく守備の構築を優先し、チーム内の規律や組織力を重視した「堅実なサッカー」で強さを見せていました。
ある意味、エンターテイメント性があるバルセロナとは対照的に勝利主義のチーム作りに徹しました。
この一戦はミラン側に不安要素があり、守備の要であるアレッサンドロ・コスタクルタ、フランコ・バレージを出場停止で欠いていたほか、マルコ・ファン・バステン、ステファノ・エラーニオら、複数の選手を欠いた状態での試合となっていました。
このこともあり、バルセロナ優勢との声も上がっていましたが、試合はミランが堅実な守備とプレスからボール奪取し、徐々に攻勢を強め、ダニエレ・マッサーロの2得点で前半を終えます。
バルセロナにとって厳しい状況となる中、後半開始早々には、ミランの3得点目となるスーパーゴールが決まります。
右サイド(ミラン側)でボールをカットしたデヤン・サビチェビッチが、そのままペナリティエリア外からループシュートを放つと、GKの頭上を越えてゴールへと吸い込まれ、ミランが3点のリードを記録します。
その後もマルセル・デサイーが追加点を決め、注目が集まった一戦はミランが快勝し、UEFAチャンピオンズカップから通算して5度目の欧州制覇となりました。
ミランが快勝した要因の一つに、カペッロ監督のチーム作りが挙げられ、当時としては珍しく「ターンオーバー」を積極的に用いる監督でした。
複数の選手に多くの出場時間が与えられ、サブの選手のモチベーションを高めるなど、メンタル面でのケアも上手く、主力を欠きながらも、チーム力は落ちず、蓋を開けてみればミランの快勝となっていました。
一方のバルセロナは、この時期を境にクライフが築き上げた「ドリームチームの終焉」へと向かいます。
ちなみに、この試合に出場していたジョゼップ・グアルディオラ、ロナルド・クーマンは、後にバルセロナの監督にもなっています。
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チャンピオンズリーグ1998-99決勝(マンチェスター・U-バイエルン・ミュンヘン)
スコア:2-1
優勝:マンチェスター・ユナイテッド
この試合は「カンプ・ノウの奇跡」として語り継がれる一戦となりましたが、バイエルンにとっては「カンプ・ノウの悲劇」とも表現されています。
このシーズン、両者はすでにグループステージから対戦しており、その際はホーム&アウェイ2試合とも引き分けという結果となっていました。その両者が決勝へと駒を進め、欧州王者を掛けて戦う一戦となっています。
ユナイテッドは、ロイ・キーン、ポール・スコールズという中盤の要を出場停止で欠く厳しい状況となっていました。
一方のバイエルンも、ビセンテ・リザラズ、エウベルといった選手を欠いていたものの、バイエルン側に追い風が吹いていたと言っても過言ではありません。
試合は開始早々に動き、マリオ・バスラーが直接FKを決め、バイエルンが先制します。
反撃に出たいユナイテッドですが、ロイ・キーンとスコールズの不在が響き、本来のポジションではない起用にデヴィット・ベッカムや、ライアン・ギグスが本来の持ち味を発揮できず、ゲームを支配できないまま前半が終了します。
後半も事態は好転せず、試合終了時間が刻一刻と迫る中、カンプ・ノウの9万人以上の観衆はバイエルンの勝利を確信し始めた頃でした。後半のアディショナルタイムにドラマが生まれます。
AT1分、CKから味方のシュートを逸らす形でテディー・シェリンガムがゴールに流し込み、同点に追い付きます。この一撃にバイエルンの選手が立ち尽くす中、AT3分、再び獲得したCKから、次はシェリンガムのヘディングシュートをオーレ・グンナー・スールシャールが右足で流し込み、ついに逆転を果たします。
この間、わずか3分の出来事であり、サー・アレックス・ファーガソン監督の名前に由来した「ファーギータイム」での名シーンは幾つかありますが、その中でもこの試合は歴史に残る一戦だったと言えます。
この逆転劇にスタジアムは異様な雰囲気に包まれますが、シェリンガム、スールシャールともに途中出場の選手だったことからも、ファーガソン監督の采配が的中する結果となりました。
この「歓喜」と「悲劇」が一瞬でひっくり返ってしまうところもサッカーの魅力であると感じさせる一戦でした。
チャンピオンズリーグ2004-05決勝(ACミラン-リヴァプール)
スコア:3-3(PK2-3)
優勝:リヴァプール
「イスタンブールの奇跡」と呼ばれているこの試合は、当時からのサッカーファンなら記憶に残っている一戦ではないでしょうか。
リヴァプールが前半だけで3点ビハインドという絶望的な状況から、後半に3得点を決めPK戦までもつれ込んだ末に、逆転優勝を果たした試合であり、チャンピオンズリーグの歴史の中で最もスペクタクルな一戦だったと言えます。
この「奇跡」とは対照的に、ミランサポーターの間では「イスタンブールの悲劇」とも表現されています。
ミランは、アレッサンドロ・ネスタ、パオロ・マルディーニ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、アンドレア・ピルロ、クラレンス・セードルフ、カカ、フィリッポ・インザーギ、アンドリー・シェフチェンコなど、名立たるスター選手を擁し、3度目の黄金期を迎えていました。
試合は開始早々に動きます。ミランがFKを獲得すると、エリア内でフリーとなっていたマルディーニがダイレクトボレーで押し込み、ミランが先制します。その後、カウンターからカカを起点にクレスポが2ゴールをあげ、ミランが前半だけで3点のリードを見せました。
前半、リヴァプールがこのような結果に陥った要因として挙げられるのが、ラファエル・ベニテス監督の「奇策」であり、大方の予想に反し、この決勝ではスティーブン・ジェラードとシャビ・アロンソの2ボランチを形成し、ハリー・キューウェルを起用する攻撃的な采配をしました。
しかし、この采配が裏目に出て、ジェラードとシャビ・アロンソではストッパーとしての役割が難しく、ミランのカカを捕まえられず、結果的にカカを起点に2つのゴールを決められています。
巻き返しを図るリヴァプールは、後半開始から中盤の強度を上げるため、ディートマー・ハマンを投入。さらにシステムを3-5-2に変更し、ジェラードをより攻撃的なポジションでプレーさせます。
すると、前半とは打って変わってリヴァプールが息を吹き返し、ジェラードのヘディングゴールを皮切りに、ヴラディミール・シュミツェルのロングシュート、シャビ・アロンソが自身のPKのこぼれ球を流し込み、遂に同点へと追い付きます。この3得点はわずか6分間の出来事でした。
その後の展開は、互いの守備陣の奮闘もあり、ゲームは動かず延長戦の末、PK戦へと突入する死闘となりました。
3点差を追いつかれたという状況から、雰囲気に飲まれたとも言えるミランは、5人中3人がPKを失敗し、リヴァプールが奇跡の逆転優勝を飾りました。
ミランにとっては屈辱的な敗戦となりましたが、このドラマには続きがあり、2年後となる2006-07シーズンの決勝カードは、再びミランとリヴァプールが顔を合わせ、この試合では、2年前の決勝は怪我の影響でピッチに立てなかったフィリッポ・インザーギの2得点でミランが勝利し、見事雪辱を果たしました。
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チャンピオンズリーグ2012-13決勝(ボルシア・ドルトムント-バイエルン・ミュンヘン)
スコア:2-1
優勝:バイエルン・ミュンヘン
デア・クラシカーとなった2012-13シーズンの決勝は、ユルゲン・クロップ監督の下、ブンデスリーガを代表するクラブにまで伸し上がったドルトムントと、これまでブンデスリーガ2連覇を達成していたドルトムントを阻み、このシーズンのリーグ優勝をもたらした名将ユップ・ハインケス監督が率いるバイエルンの一戦であり、同国対決という対戦カードながら、十分な注目を集める一戦となりました。
というのも、準決勝のカードが「ドルトムントvsレアル・マドリード」「バイエルンvsバルセロナ」であり、それぞれが優勝候補であったスペイン勢を破り、決勝へと駒を進めていました。
また、ドルトムントには、前年まで香川真司が在籍していたこともあり、日本でのドルトムントファンも多く存在していました。
試合は、前半は両者がシュートを打ち合う展開を見せ、マヌエル・ノイアーがセーブをすれば、ロマン・ヴァイデンフェラーがセーブをするという、互いのGKの奮闘もあり、スコアレスで前半を折り返します。
後半に入ると試合は動き、再三チャンスに絡んでいたアリエン・ロッベンがGKをかわしてクロスを送ると、エリア内でフリーとなっていたマリオ・マンジュキッチがゴールに流し込み、バイエルンが先制します。
一方のドルトムントは、失点から8分後、エリア内でボールを受けたマルコ・ロイスがダンテと交錯し、PKを獲得します。これをイルカイ・ギュンドアンがノイアーの逆を突く冷静なシュートで沈め、ドルトムントが追い付きます。
その後も互いに好プレーが飛び出す緊迫したゲームが続く中、試合終了間際の89分にゲームが動きます。エリア内で溜めを作ったフランク・リベリーがヒールパスを送ると、走り出していたロッベンが1タッチで相手DFをかわし、GKとの1対1を沈め、バイエルンが勝ち越しに成功します。
この直後に両者は交代カードを切りますが、この90分間で両者ともに初めての交代カードであったことから、選手を動かせない緊迫した試合だったことが頷けます。
ドルトムントに残された時間は短く、反撃を許さないまま試合は終了し、バイエルンが通算5回目の優勝を果たしました。
余談ですが、この試合前に、来季からドルトムントのマリオ・ゲッツェがバイエルンに移籍することが発表されており、発表されたタイミングも含めて、遺恨を残す形でクラブを去ることとなりました。
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チャンピオンズリーグ2013-14決勝(レアル・マドリード – アトレティコ・マドリード)
スコア:4-1(延長)
優勝:レアル・マドリード
単なるマドリードダービーの延長という位置付けではなく、9シーズン続いたFCバルセロナ、レアル・マドリードによる優勝争いを阻み、このシーズンのリーガ王者となっていたアトレティコと、前人未到のチャンピオンズリーグ10度目の優勝(ラ・デシマ)に向けて戦うマドリーという構図となっていました。
試合は開始早々にアクシデントが起こります。前半9分、アトレティコのエース、ジエゴ・コスタが負傷し、アドリアン・ロペスとの交代を余儀なくされます。
その後、膠着状態が続きますが、前半36分、CKのクリアボールをフアンフランがヘディングでエリア内に送ると、そのボールに反応したディエゴ・ゴディンが頭で合わせ、アトレティコが先制します。
後半は、闘将・ディエゴ・シメオネ監督が築き上げた、情熱と闘志を剥き出しに激しい守備で迫ってくるアトレティコと、欧州の舞台をどのクラブよりも知るマドリーが、迫力ある攻撃を仕掛ける壮絶な試合となりました。
マドリーがあの手この手で再三攻撃を仕掛けますが、アトレティコの選手たちは集中を切らさず、堅守を貫き、マドリーに残された時間が過ぎていきます。
しかし、アトレティコの方も長いシーズンを戦い、一瞬の気も休まらないこの試合での疲労の蓄積からフィリペ・ルイスが足を攣り、トビー・アルデルヴェイレルトとの負傷交代となります。
後半アディショナルタイムに入ると、勝利を祈るアトレティコベンチと、得点を祈るマドリーベンチが対照的に画面に映し出されていました。試合終了するかと思われた、後半AT3分、ルカ・モドリッチのCKにセルヒオ・ラモスがヘディングで決め、ついにマドリーが同点に追い付きます。
試合はこのまま延長戦へと突入しますが、アトレティコにとって後半ATに決められた同点弾はあまりに重く、そしてマドリーにとっては活気付ける同点弾となりました。
延長戦では、満身創痍だったアトレティコとの力の差を見せつけるように、マドリーがギャレス・ベイス、マルセロ、そしてクリスティアーノ・ロナウドのPKで得点を重ね、結果的に4-1でマドリーが勝利しました。
これにより、マドリーのチャンピオンズリーグ10度目の優勝(ラ・デシマ)が決まり、現在までに優勝記録を13に伸ばし、他のクラブを圧倒して最多優勝クラブとして君臨しています。
この試合では、90分間はアトレティコのプラン通りと言っても過言ではない試合だっただけに、最後の最後で勝者のメンタリティを持つマドリーがチャンスを物にしました。
また、ダービーらしくイエローカードが12枚飛び交うゲームとなりましたが、退場者はなく、非常にアグレッシブなゲームとなりました。
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チャンピオンズリーグ決勝にジンクスはある?
これまで、1993-94シーズンのFCバルセロナ、2018-19シーズンのトッテナム・ホットスパーが初戦を黒星スタートしながらも決勝まで駒を進めましたが、いずれも優勝を逃しています。
また、2019-20シーズンには、優勝候補に数えられていたレアル・マドリード、リヴァプールがグループステージ初戦を落とし、ともに決勝トーナメントには進んだものの、やはりラウンド16で姿を消すこととなりました。
今シーズンは、ベスト4に進んでいるマンチェスター・シティ、リヴァプール、レアル・マドリード、ビジャレアルの4チームとも初戦を引き分け以上でスタートさせているため、このジンクスを破るクラブが現れるのはまだ先になります。
2012-13シーズンから昨シーズンまでの9年間、いずれも優勝したチームにはクロアチア人がいるというジンクスです。
振り返ってみると、
2012-13シーズン:バイエルン・ミュンヘン(マリオ・マンジュキッチ)
2013-14シーズン:レアル・マドリード(ルカ・モドリッチ)
2014-15シーズン:FCバルセロナ(イヴァン・ラキティッチ)
2015-16シーズン:レアル・マドリード(ルカ・モドリッチ)
2016-17シーズン:レアル・マドリード(ルカ・モドリッチ、マテオ・コヴァチッチ)
2017-18シーズン:レアル・マドリード(ルカ・モドリッチ、マテオ・コヴァチッチ)
2018-19シーズン:リヴァプール(デヤン・ロヴレン)
2019-20シーズン:バイエルン・ミュンヘン(イヴァン・ペリシッチ)
2020-21シーズン:チェルシー(マテオ・コヴァチッチ)
今シーズンのベスト4に進出したチームのうち、レアル・マドリード(ルカ・モドリッチ)だけがこのジンクスを満たしています。
UEFAチャンピオンズカップ時代から通算して、1996-97シーズンにボルシア・ドルトムントが初の決勝進出で優勝を果たしたシーズン以降、この「初」の決勝進出をしたチームは優勝を飾ることができていません。
バレンシア(1999-2000)、レヴァークーゼン(2001-02)、モナコ(2003-04)、アーセナル(2005-06)、チェルシー(2007-08)、トッテナム(2018-19)、パリ・サンジェルマン(2019-20)、マンチェスター・シティ(2020-21)
上記のチームが「初」の決勝進出を果たしたシーズンですが、いずれも優勝を逃すこととなっています。やはり決勝の舞台には独特な緊張感が漂っているんでしょうか。
今シーズンのベスト4に進出したチームのうち、決勝まで勝ち上がった場合にはビジャレアルがこのジンクスを満たすこととなりますが、仮に決勝に進出した際には、ビジャレアルにとっては嬉しくないジンクスとなります。
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まとめ
歴代のチャンピオンズリーグ決勝の名勝負や大逆転劇、そして決勝にまつわるジンクスなどをまとめてみました!
振り返ってみると、どの試合にもドラマが生まれていますが、やはり最後の1分1秒まで、何が起こるか分からないのが欧州最高峰のチャンピオンズリーグ決勝であり、歓喜と悲劇が同居し、見ている方にも熱が入ります!
今シーズンのチャンピオンズリーグには、どんな結末が待っているのか、楽しみに見届けましょう!
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