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ラ・リーガ3強であるレアル・マドリード、FCバルセロナ、アトレティコ・マドリードの3チームは、リーグ戦でも多くの優勝争いが行われ、欧州のコンペティションでも好成績を残しています。
その一方で、この3強以外のプリメーラの17チームを指す「オトラリーガ」という言葉があり、このオトラリーガ勢の躍進には大きな意味を持ちます。
また、スペインには育成重視のクラブも多く、将来のビッグクラブ候補となる選手や、その育成年代の指導力の高さから中位・下位のチームでも戦術的なチームも多く、リーガ3強とはまた違った面白さもあります。
そこで本記事では、ラ・リーガの名門・中堅クラブや、一風変わったスペインの面白いチームの特徴をまとめてみました!
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ラリーガ | 名門クラブ
バレンシアCF
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・プリメーラ(リーガ1部):優勝6回
・コパ・デル・レイ:優勝8回
・スーペルコパ:優勝(1999)
・UEFAチャンピオンズリーグ:準優勝
・UEFAヨーロッパリーグ:ベスト4
・UEFAカップ:優勝(2003-04)
・UEFAカップウィナーズカップ:優勝(1979-80)
・UEFAスーパーカップ:優勝2回(1980,2004)
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
スペイン・バレンシア州バレンシアに本拠地を置き、専用スタジアムはエスタディオ・デ・メスタージャで収容人数は約55,000人です。
エンブレムのコウモリが特徴的ですが、これは1238年にイスラム教徒からの国土回復運動(レコンキスタ)により、アラゴン王であるハイメ1世が率いる軍隊の手によってバレンシアの解放が行われた際に、ハイメ王にコウモリが止まったことが由来となっています。
このコウモリは「RAT PENAT(幸運のシンボル)」と呼ばれ、バレンシア市の紋章にもコウモリが描かれています。
ライバルとなるのは、同じ都市・バレンシアに本拠地を置くレバンテUDであり、この両者の一戦はバレンシア・ダービーと呼ばれています。
バレンシア州としてはビジャレアル、エルクレスCFともライバル関係にあり、こちらはバレンシア州・ダービーと呼ばれています。
バレンシアは、低迷期と黄金期を繰り返しながら、2000年代前半までは強豪クラブとして多くの時代で成功を収めていました。
バレンシアにとって最初の黄金期と言える時期が、スペイン内戦を終えた1939-40シーズンからの15年間であり、この間にリーグ優勝3回を含む7個ものタイトルを獲得しています。
その後、低迷期を迎えながらも、1969年~1972年の3シーズンはコパ・デル・レイで3シーズン連続決勝に進出し、プリメーラでも優勝と2位を記録し、1979-80シーズンにはアルフレッド・ディ・ステファノが2度目の監督に就任すると、UEFAカップウィナーズカップで優勝を飾り、バレンシアにとって初の欧州コンペティションでのタイトル獲得となりました。
しかし1980年代に入ると、財政面の悪化から選手やスタッフへの給料未払いが発生するなど、クラブの内部分裂が起こり、チームとしての士気も低下したことで成績を落とし、1985-86シーズンは16位でシーズンを終え、クラブ史上初のセグンダ降格となってしまいます。
翌シーズンは、会長の交代とディ・ステファノに監督を要請したことでセグンダを優勝し、1シーズンでのプリメーラ復帰を果たしています。
最も輝かしい時代となるのが、1990年代後半から2000年代中期であり、プリメーラ、コパ・デル・レイでそれぞれ2度の優勝と、UEFAカップとUEFAスーパーカップで優勝し、UEFAチャンピオンズリーグの舞台でも2度の決勝進出を決めました。
近年は、再び低迷期に入り巨額の負債を抱えることとなり、多くの主力選手を放出せざるを得ない状況が続いており、2014年からはメリトン・ホールディングスがクラブを買収し、実業家であるピーター・リムがオーナーとなっています。
しかし、リムによる独裁体制とも言える現場介入により、監督の解任、選手の放出など、サポーターが意図しない方向へ舵を切り、フロントとサポーターの溝は深まっています。
また、バレンシアは成功時代も多いことから、比較的クラブとしてのネームバリューもあり、日本を含む世界各国にアカデミーを開校しています。
このため、育成面での評価も高く、近年では、ダビド・シルバ、ジョルディ・アルバ、ホセ・ルイス・ガヤ、パコ・アルカセル、イスコ、カルロス・ソレール、フェラン・トーレス、ウーゴ・ギジャモンなど、低迷期に入ってもスペイン代表やその候補となる選手を数多く輩出しています。
レアル・ベティス
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・プリメーラ(リーガ1部):優勝(1934-35)
・セグンダ(リーガ2部):優勝7回
・リーガ3部:優勝(1953-54)
・コパ・デル・レイ:優勝3回(1976-77,2004-05,2021-22)
・UEFAチャンピオンズリーグ:グループステージ敗退
・UEFAヨーロッパリーグ:ベスト16
・UEFAカップ:ベスト16
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
スペイン・セビージャに本拠地を置き、専用スタジアムはベニート・ビジャマリンで収容人数は約60,700人です。
ライバルとなるのは同じセビージャに本拠地を置くセビージャFCで、この両者による一戦はセビージャ・ダービーとして知られていますが、歴史的背景も重なりサポーター同士の過激化から度々問題が起こる一戦でもあります。
この背景には、クラブ創設当時のセビージャが労働者階級(賃金で雇用され生産手段を持たない社会階級)出身の選手との契約を拒否していたことを含め、比較的富裕層にサポーターを持っており、対してベティスのサポーターはこの運動に批判的な思想を持ち、同様に労働者階級層からの支持も多く、対立的な立場として確立されています。
このことから、スペイン国内のクラブでも非常に熱狂的なサポーター「ベティコ(ベティスサポーターの愛称)」の存在もこのクラブの特徴の一つです。
ベティスは、過去の記録からも好不調の波が激しいクラブであり、1934-35シーズンのプリメーラ初優勝から数年後にはセグンダ降格となり、1946-47シーズンには3部降格と暗黒期も経験しています。
直近の約30年間の成績は、2度のコパ・デル・レイの優勝と、4度のセグンダ降格を経験していますが、このような時代毎の好不調に関わらずサポーターの応援は衰退することなく、
「Viva er Betis manquepierda!(ベティス万歳、たとえ敗れようとも!)」というベティスを表現する有名な言葉があり、ベティコの心には刻まれています。
現在、監督を務めるマヌエル・ペジェグリーニ体制では、攻撃的な魅力あるサッカーが展開され、リーグでも欧州コンペティション出場圏内でのフィニッシュを継続しているほか、2021-22シーズンにはコパ・デル・レイ優勝を飾っています。
ベティスも育成に定評があるクラブの一つであり、クラブとして組織的な育成に力を入れており、育成年代から「自身で考え体現する」というインテリジェンスな部分の成長を促すことで、人間力や戦術理解度を伸ばしています。
クラブ施設には、現代テクノロジーや、心理学専門のスタッフチームを導入するなど、多方面から下部組織・トップチームの選手たちをサポートし、同時にスタッフの人材育成も行っています。
この育成モデルは実績と評価を生み、近年は各国にアカデミーを開設し、世界中でプロジェクトが進められており、選手のみならず指導者の育成も積極的に行い、ベティスの育成メソッドは一つのロールモデルとして、各国のクラブのモデルとなる日も近いかもしれません。
レアル・ソシエダ
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・プリメーラ(リーガ1部):優勝2回(1980-81,1981-82)
・セグンダ(リーガ2部):優勝3回
・コパ・デル・レイ:優勝3回(1909-10,1986-87,2019-20)
・スーペルコパ:優勝(1982)
・UEFAチャンピオンズリーグ:ベスト16
・UEFAヨーロッパリーグ:ベスト32
・UEFAカップ:ベスト4
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
スペイン・バスク州ギプスコア県サン・セバスティアンに本拠地を置き、専用スタジアムはエスタディオ・アノエタで収容人数は約35,000人です。
本拠地を置くサン・セバスティアンは美食の街として知られ、観光地としても人気となっています。
クラブの愛称は「La Real(ラ・レアル)」「Erreala(エレアラ)」で、スペイン国内ではレアルという愛称はレアル・マドリードではなく、レアル・ソシエダに向けて使われています。
ライバルとなるのは同じバスク地方に本拠地を置くアスレティック・ビルバオであり、この両者の一戦はバスク・ダービーと呼ばれていますが、この両者の関係は非常に良好的であり、サポーター同士スタジアムで肩を組んだり、下部組織を含めて両クラブ間の移籍が行われています。
ラ・レアルの黄金期の1つは1979-80シーズンからの約10年間であり、この間に2シーズン連続プリメーラ優勝を果たしたほか、コパ・デル・レイの優勝と準優勝、スーペルコパの優勝と、UEFAカップでもベスト4の成績を残しています。
クラブの創設からこの時期までは、ラ・レアルもビルバオと同様にバスク人のみでチームを構成していましたが、1989年にバスクにルーツを持たないジョン・オルドリッジ(リヴァプール)の獲得により、ラ・レアルの純血主義は終わりを迎えます。
しかし、この決断後も地元選手の育成には力を入れており、ビルバオとの関係も変わらず良好を維持しています。
ラ・レアルの特徴として地元に根付いた育成に定評がありますが、この評価を得たのは比較的最近のことです。
2000年代前半は、プリメーラで2位、チャンピオンズリーグでもベスト16という好成績を残していますが、その後の低迷により2006-07シーズンにセグンダ降格が決まり、新会長による資金を投じた再建を試みますが、失敗に終わり辞任に追い込まれます。
結果としてクラブは3000万ユーロ以上の借金を抱え、破産申請によってクラブは原点に戻り、育成を重視した若手中心のチームで再建を図ると、2009-10シーズンにセグンダ優勝を果たし、4シーズンぶりにプリメーラ復帰を果たします。
この頃から現在の育成型クラブとしての地位を築き、現在ではトップチームの約6~7割が下部組織出身の選手で構成されています。
その下部組織にも多くの地元出身選手が入団していますが、将来的にはさらにトップチームの下部組織出身者の割合を増やしていく意図を公言しています。
2021-22シーズンからは日本代表の久保建英が加入し、監督やサポーターの信頼を掴み、今シーズンはチームとともに好調を見せています。
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ビジャレアルCF
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・プリメーラ(リーガ1部):3位(2004-05)
・UEFAチャンピオンズリーグ:ベスト4(2021-22)
・UEFAカップ:ベスト4(2003-04,2005-06)
・UEFAヨーロッパリーグ:優勝(2020-21)
・コパ・デル・レイ:準々決勝敗退
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
スペイン・バレンシア州カステリョン県ヴィラ=レアルに本拠地を置き、専用スタジアムはエスタディオ・デ・ラ・セラミカで収容人数は約24,890人です。
ビジャレアルの本拠地であるヴィラ=レアル(バレンシア語)の自治体の人口は僅か約50,000人であり、スタジアムであるデ・ラ・セラミカはその約半数を収容することになりますが、隣町のサポーターを含む多くのサポーターが毎試合詰め掛けています。
ライバルとなるのは、同じカステリョン県に本拠地を置くCDカステリョンですが、同カテゴリーではバレンシア州に本拠地を置くバレンシアCFもライバルとしており、この両者の一戦はバレンシア州・ダービーと呼ばれています。
育成年代に力を入れているビジャレアルですが、2004年~2009年までクラブを率いたマヌエル・ペレグリーニ監督政権では、ディエゴ・フォルラン、フアン・ロマン・リケルメなど、南米の監督・選手を迎え、リーグ戦や欧州コンペティションでの強さを見せていましたが、
外部の選手に頼った運営は長続きせず、その後の失速により2011-12シーズンは18位となり、セグンダへの降格が決まります。
この辺りから運営を見直し、より育成年代を重視した運営に切り替え、クラブを必要以上にグローバル化せず(外国籍選手やスポンサーに頼らず)、堅実な運営を目指しています。
スペインでも強豪となるチームは、下部組織にも優秀な外国籍の選手を引き入れることができますが、ビジャレアルは地元の子供たちの育成を目指し、育成年代からスペインらしさを持つ技術・戦術・頭脳を持った育成を目指しています。
クラブの会長であるフェルナンド・ロッチは、一家でビジャレアルの経営を担っており、無理な補強・経営はせず手堅さと継続性を目指しています。
一家経営による意思の共有が安定に繋がり、小さな町のクラブだからこその堅実さが強みであるのと同時に、好成績を収めているビジャレアルは称賛もされています。
結果として、2020-21シーズンにはヨーロッパリーグの優勝、そして翌シーズンにはユヴァントス、バイエルン・ミュンヘンといった強豪を破ってチャンピオンズリーグ準決勝に進むなど、ヴィラ=レアルという町の規模からは奇跡に近い成功を成し遂げました。
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ラリーガ | 中堅クラブ・面白いチーム
アスレティック・ビルバオ(アトレティック・クルブ)
KIT IN FOCUS: Athletic Club.
Formed in 1898, Athletic Club are the fourth most successful club in La Liga with eight league titles but when it comes to the Copa Del Rey they sit second behind Barcelona having won it a whopping twenty three times. pic.twitter.com/3ofGOEehy1
— DB (@BirdyShirts) October 15, 2022
・プリメーラ(リーガ1部):優勝8回
・UEFAチャンピオンズリーグ:グループステージ敗退
・UEFAカップ:準優勝(1976-77)
・UEFAヨーロッパリーグ:準優勝(2011-12)
・コパ・デル・レイ:優勝24回
・スーペルコパ:優勝3回
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
スペイン・バスク州ビルバオに本拠地を置き、専用スタジアムはサン・マメスで収容人数は約53,300人です。
ライバルとなるのは同じバスク地方に本拠地を置くレアル・ソシエダであり、この両者の一戦はバスク・ダービーと呼ばれています。
この両者の関係は非常に良好的であり、サポーター同士スタジアムで肩を組んだり、下部組織を含めて両クラブ間の移籍が行われています。
日本では「アスレティック・ビルバオ」というクラブ名が定着していますが、現地ではこの呼び名を好んでおらず、本拠地はビルバオではありますが、
クラブ方針からビルバオに限定せずバスク地方全体のクラブであることを望んでおり「アトレティック・クルブ(Athletic Club)」での呼び名を推奨しています。
アトレティックの最大の特徴は、下部組織からトップチームまで、バスクにルーツを持つ選手のみで構成する「バスク人主義」の哲学であり、1912年のクラブの創設以来この哲学を貫いています。
この「バスク人の定義」については、国籍を問わずバスク州での出生、あるいこの地方で育った場合に該当されています。
このため、バスク州に本拠地を置くクラブ(ソシエダ、エイバル、アラベスほか)の育成年代の選手を獲得することも可能であることや、最近ではアトレティコのアントワーヌ・グリーズマン(ソシエダの下部組織出身)の獲得の可能性が報道されました。
このクラブ方針から、育成年代のクオリティがトップチームに最も直結するクラブであり、トップチームの殆どの選手が下部組織からの生え抜きの選手であるにも関わらず、
創設以来一度も降格を経験したことがないクラブであり、これはレアル・マドリード、FCバルセロナと並んで3チームのみの記録となっています。
アトレティックは、クラブの創設期から1960年代後半まで、コパ・デル・レイ優勝の常連クラブであり、この間に29回の決勝進出を決め、そのうち21回の優勝を記録しています。現在までに通算23回の優勝を記録し、これはバルセロナに次いで2番目に多い記録となっています。
中でも黄金期となるのは、ハビエル・クレメンテ監督が率いた1981年からの5シーズンであり、この時代のアトレティックは守備的な選手を多く配置し、強度高く相手選手を潰す積極的な守備スタイルを築きました。
このチームで、1982-83シーズンにプリメーラ優勝を記録し、その翌シーズンはプリメーラ2連覇とコパ・デル・レイの2冠を達成。クレメンテ政権下ではスーペルコパのタイトルを含む4つのタイトルを獲得しました。
近年はリーグ戦ではトップハーフフィニッシュ(上位10チーム)が目標になっていますが、カップ戦では強さを見せ、コパ・デル・レイでは安定して好成績を残しています。
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FCアンドラ
❗Gerard Piqué wants to play for FC Andorra, the club he owns.
— @relevo pic.twitter.com/DAol4vruWS
— Barça Universal (@BarcaUniversal) January 3, 2023
・リーガ3部:優勝2回(1979-80,2021-22)
・コパ・デル・レイ:ベスト16(1995-96)
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
アンドラ公国アンドラ・ラ・ベリャに本拠地を置き、専用スタジアムはエスタディ・ナシオナルで収容人数は約3,300人です。
ラ・リーガに置いて唯一スペイン国外に本拠地を置くクラブであり、1963年から隣国であるスペインリーグに参入しています。
2018年の12月には元スペイン代表でバルセロナでプレーしたジェラール・ピケが自身が保有する企業を通じてクラブを買収し、ピケは実質90%の保有権を取得しました。
アンドラ公国は、フランスとスペインに隣接しており、この両国とは密接な関係が築かれています。
これは、歴史的にもスペイン内戦や第二次世界大戦中にもアンドラは中立を貫き、難民の受け入れを行うも、軍隊を保有しなかった経緯から対話による交渉を手段としており、現在でも殆どの国民がフランス語、スペイン語(またはカタルーニャ語)を扱えるほか、ポルトガルにルーツを持つ国民も多く、トリリンガル(3か国語を話す)な国民も多く存在します。
このような国民性もあり、アンドラへ移住する著名人も多く、2022年には元スペイン代表でバルセロナでプレーしたカルロス・プジョルが移住しています。
初のスペインリーグへの参入が決まった1963年は、カタルーニャ州の2部リーグからスタートさせ、その18年後にリーガ3部への昇格を決めます。
その後は1度降格を経験するも、1995-96シーズンにはコパ・デル・レイでクラブ史上最高位となるベスト16まで進出し、合計17シーズンを3部リーグで戦いますが、その後は低迷が続き、一時は7部相当で7シーズン戦う事態となります。
2018年のピケによるクラブ買収後、クラブとしては大型補強を行い、このシーズンを優勝で飾り、リーガ4部への昇格を決めます。
昇格を決めると同時に、当時セグンダ所属のCFレウス・デポルティウが選手への給料未払いなどの問題を起こし、スペインリーグ追放状態となったことで、枠が空き、手数料約45万ユーロ支払ってリーガ3部の枠を購入し、繰り上げ昇格となりました。
2019-20シーズンはリーグ9位で終えますが、2020-21シーズンは3位に順位を上げ、2021-22シーズンには3部リーグ優勝を飾り、今シーズンはクラブ史上最高位のカテゴリーとなるセグンダに所属しています。
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ラリーガ | カナリア諸島のチーム
スペイン本土から約1000km離れたカナリア諸島に本拠地を置くチームの紹介です。
カナリア諸島出身の選手は多く、フアン・カルロス・バレロン、ダビド・シルバ、ルベン・カストロ、ビトーロ、アンヘル・ロドリゲス、ヘセ・ロドリゲス、ジョナタン・ビエラ、ジェレミ・ピノ、ペドリなど、スペインの選手らしくテクニックを持った選手も多いですが、どこか南米にも似た独特のリズムを持っている選手も多いです。
海に囲まれた島のため、アウェイでの試合時には飛行機移動となり、カナリア諸島のクラブ同士の試合のときでも飛行機が移動手段となります。
UDラス・パルマス
#LaUniónHaceLasPalmas @lorenmg16 pic.twitter.com/6AFg0vfvt3
— UD Las Palmas (@UDLP_Oficial) January 31, 2023
・プリメーラ(リーガ1部):2位(1968-69)
・セグンダ(リーガ2部):優勝4回
・リーガ3部:優勝2回
・コパ・デル・レイ:準優勝(1977-78)
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
スペイン・カナリア諸島のラス・パルマス・デ・グラン・カナリアに本拠地を置き、専用スタジアムはエスタディオ・グラン・カナリアで収容人数は約32,400人です。
本拠地のあるラス・パルマスは、スペインの首都・マドリードから約1700kmも離れているほか、カナリア諸島としてはアフリカのモロッコと最短距離で約100kmの位置にあるため、アフリカ圏の方が近いのも特徴です。
このため、対岸となるモロッコのサハラ砂漠から運ばれた砂によりできた砂丘が多く存在していますが、中でもラス・パルマスがあるグラン・カナリア島の砂丘は観光名所の一つにもなっています。
ライバルとなるのは、同じカナリア諸島に本拠地を置くテネリフェであり、この両者の一戦はカナリア諸島・ダービーと呼ばれています。
クラブの創設は1949年であり、創設初年度はリーガ3部でのスタートとなりましたが、このシーズンに2位フィニッシュを決め、セグンダへの昇格を手にします。翌シーズンはセグンダでも強さを見せ、最終的に3位でシーズンを終えプリメーラへの昇格を決めます。
クラブ創設から2シーズン連続でカテゴリーを上げ、プリメーラ入りを果たしたクラブはラス・パルマスのみとなっています。
以降、セグンダへ降格となるシーズンもありましたが、創設から40年間で29シーズンをプリメーラで戦い、この間でクラブ史上最高位となる2位フィニッシュ(1968-69シーズン)も記録しています。
最近では、FCバルセロナに移籍を果たしたペドリが下部組織からラス・パルマス出身の選手であり、スペイン代表にとっても欠かせない若き才能に話題を集めました。
2007-08シーズンには、現在は横浜FCのテクニカルダイレクターを務めている福田健二が加入しています。
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CDテネリフェ
Gaku Shibasaki, new player #CDTenerife, is already on the island.#Welcome pic.twitter.com/iEfx7Fu0BQ
— CD Tenerife (@CDTOficial) January 31, 2017
・プリメーラ(リーガ1部):5位(1992-93,1995-96)
・セグンダ(リーガ2部):優勝(1960-61)
・リーガ3部:優勝2回(1970-71,1986-87)
・コパ・デル・レイ:準決勝敗退(1993-94)
・UEFAカップ:準決勝敗退(1996-97)
※2021-22シーズン終了時点の成績。主要タイトルのみ
スペイン・カナリア諸島のサンタ・クルス・デ・テネリフェに本拠地を置き、専用スタジアムはエリオドーロ・ロドリゲス・ロペスで収容人数は約22,800人です。
ライバルとなるのは、同じカナリア諸島に本拠地を置くラス・パルマスであり、この両者の一戦はカナリア諸島・ダービーと呼ばれています。
テネリフェの本拠地があるサンタ・クルス・デ・テネリフェはカーニバルが有名であり、国内外から多くの見物客が訪れる1年に1回のお祭りであり、ブラジルのリオのカーニバルを彷彿とさせます。
また、テネリフェ県にあるサン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナは都市景観として世界遺産に登録されているほか、島全体が1年を通して比較的温暖な気候であり、リゾート地としても人気で多くの著名人がバカンスに訪れています。
テネリフェの創設は1912年とライバルとなるラス・パルマスよりも歴史がありますが、創設から長らくセグンダでの戦いが多くなっていました。
クラブの創設から約50年後となる1960-61シーズンにセグンダ優勝を決め、ようやく初のプリメーラ昇格を手にしました。
プリメーラ初挑戦となる1961-62シーズンは16位で終わり、1シーズンでのセグンダ昇格となり、この時期からテネリフェの低迷期を迎え、3度の3部降格を経験するなど、合計9シーズンを3部で過ごすこととなります。
1988-89シーズンに、約28年ぶりのプリメーラ昇格を決めると、ここから90年代後半までテネリフェにとっての黄金期を迎えます。
現役時代はレアル・マドリードでもプレーしたホルヘ・バルダーノを監督に迎えた1991-92シーズンの最終節、首位レアル・マドリード戦では、0-2のビハインドからの逆転勝利を納め、マドリーとの優勝争いをしていたバルセロナの逆転優勝に貢献することとなりました。
この勝利は「テネリフェの奇跡」と呼ばれ、栄光として語られています。
翌年の1992-93シーズンも同様のケースで最終節を迎えると、この試合でもレアル・マドリードを下し、2シーズン連続でバルセロナの優勝のお膳立てをすることとなりました。
同時にこのシーズンは、テネリフェ史上最高位となるプリメーラ5位でのフィニッシュも決め、UEFAカップの出場権を獲得しています。
この黄金期の間には、ユップ・ハインケス、フアン・マヌエル・リージョなどが監督を務め、10シーズンに渡りプリメーラを戦いました。
その後は、深刻な財政難にも陥り、現在は低迷期が続いています。
2017年には日本代表の柴崎岳が加入しており、柴崎にとっては初のスペインのクラブとなりました。
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まとめ
ラ・リーガの名門・中堅クラブや、一風変わったスペインの面白いチームの特徴をまとめてみました!
スペイン3強の強さが目立ちますが、それぞれのクラブに違った方針や哲学があり、限られた資金力・戦力で戦う中位・下位勢の奮闘もラ・リーガの魅力です。
ラ・リーガに馴染みの無い方も、レアル・ソシエダの久保建英選手を通じて、ビッグマッチ以外の相手チームにも目を向けてみると、面白い発見があるかもしれませんね!
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