こんにちは!
格下チームが格上チームを倒すジャイアントキリング(通称ジャイキリ)は、スポーツ観戦の醍醐味の一つですよね。
「得点が入りにくい」「足でボールを扱うため不確定要素が多い」といった理由から、サッカーはジャイアントキリングが起こりやすいスポーツと言われています。
4年に一度開催されるサッカーワールドカップですが、この大舞台でもジャイアントキリングは起こったことがあるんです!
そこで本記事では、ワールドカップで起こったジャイアントキリングを紹介し、ジャイアントキリングが起こった理由についても考察していきたいと思います!
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番狂わせ1 | 1950年イングランド0-1アメリカ
1950年に開催されたブラジルワールドカップのグループリーグにて、アメリカ代表が当時世界最強と言われていたイングランド代表に1-0で勝利し、ワールドカップ史上最大のジャイアントキリングを達成しました。
この試合は、「ベロオリゾンテの奇跡」と言われています。
当時イングランド代表は、ワールドカップに一度も参加したことがありませんでした。
これは、イングランドの国内競技連盟FAと、FIFAとの関係が悪かったためであると考えられています。
両者の関係が改善し、ブラジル大会で初めてワールドカップに名を連ねたイングランド代表ですが、戦後の戦績は23勝4敗3分と圧倒的なものであり、開催国のブラジルと並んで優勝候補であるとされていました。
一方のアメリカ代表は、教師や葬儀屋を本職とする選手を寄せ集めたアマチュア集団であり、ワールドカップで試合に勝つつもりもなかったそうです。
試合は、大方の予想通りイングランド代表がペースを握り、前半12分までに6本のシュートを放ちましたが、ゴールポストに嫌われるなどなかなか得点を奪うことができません。
すると前半38分、防戦一方だったアメリカ代表がワンチャンスをものにし、先制に成功します。
後半は終始イングランド代表の猛攻が続きましたが、アメリカ代表は反則覚悟のタックルを繰り返し、イングランド代表の攻撃を凌ぎ続けました。
そのまま時間だけが過ぎていき試合は終了、こうしてアメリカ代表は、ワールドカップ史上最大と言われるジャイアントキリングを達成したのです。
この試合はイングランドサッカー史上最大の恥とされ、試合でイングランド代表が着用していた青いユニフォームは一切使用されなくなりました。
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番狂わせ2 | 1954年ハンガリー2-3西ドイツ
1954年に開催されたスイスワールドカップの決勝戦にて、西ドイツ代表がヨーロッパ最強と言われたハンガリー代表に3-2で勝利し、後世に語り継がれるジャイアントキリングを起こしました。
この試合は「ベルンの奇跡」と呼ばれています。
プスカシュやコチシュらを擁した当時のハンガリー代表は「マジック・マジャール」と呼ばれ、決勝の西ドイツ戦までの戦績は32戦28勝4分、4年間負けなしという脅威的な記録を打ち立てていました。
この4年間の1試合平均得点は4.5点と、圧倒的な攻撃力を誇るチームであり、スイス大会でも優勝の最有力候補に挙げられています。
一方の西ドイツ代表は、第二次世界大戦後の混乱を経てようやく国際大会に復帰したばかりであり、大会前の優勝予想には名前すら挙がっていません。
実はグループリーグでもこの2チームは対戦しており、そのとき8-3という圧倒的なスコアでハンガリー代表が勝利を収めています。
決勝戦でもハンガリー代表は開始8分で2ゴールを奪い、優勝は確実かと思われました。
しかし、そこから西ドイツ代表は脅威の反撃で3ゴールを奪い、逆転優勝を果たします。
このジャイアントキリングが起こった理由の一つは、準々決勝、準決勝、決勝と3試合連続で降り続いた雨です。
自慢のパスワークが制限され、ピッチに足を滑らせて転ぶハンガリー代表の選手に対して、西ドイツ代表の選手はぬかるんだピッチの上で躍動しました。
そんな西ドイツ代表のプレーを支えたのは、靴職人アドルフ・ダスラー(通称アディ)の考案した、天候に合わせてスタッドが交換できるスパイクです。
前半を2-2で折り返した西ドイツ代表の選手たちは、雨のピッチに合わせて、スパイクを長めのスタッドに交換します。
決勝点となった西ドイツ代表の3ゴール目は、ハンガリー代表GKがぬかるみに足を取られた隙から生まれたゴールでした。
この優勝は、第二次世界大戦の敗北に沈んでいた東西ドイツを大いに勇気づけ、ドイツは世界有数のサッカー大国に成長していきます。
また、アドルフの作ったスパイクも名声を高め、彼の名前にちなんで命名されたアディダス社は世界的なシューズメーカーになりました。
番狂わせ3 | 1966年イタリア0-1北朝鮮
1966年に開催されたイングランドワールドカップのグループリーグにて、北朝鮮代表がイタリア代表に1-0で勝利し、世界中に衝撃を与えます。
当時の北朝鮮代表は、どんな選手がいて、どんなサッカーをするのか一切知られていないチームだったため、大会前は全く注目されていませんでした。
北朝鮮代表は、初戦でソ連代表に0-3、続く第2戦はチリ代表に1-1と、1分1敗で第3戦のイタリア代表との試合を迎えます。
一方のイタリア代表は、優勝候補にも挙げられるほどの強豪であり、第2戦のチリ代表戦には敗れたものの、この試合は間違いなくイタリア代表が勝つだろうと考えられていました。
しかし、豊富な運動量を武器に北朝鮮代表が試合を優位に進めると、前半34分、悪質なタックルを仕掛けたイタリア代表DFが膝を痛めて負傷退場してしまいます。
当時は負傷退場者の選手交代が認められておらず、イタリア代表は残り60分近くを10人で戦わなければいけませんでした。
そして前半42分、北朝鮮代表FWがスピードに乗ったドリブルで抜け出し、先制ゴールを奪います。
後半はイタリア代表が猛攻を仕掛けますが、北朝鮮代表はしぶとく守り切り、アジア勢としてのワールドカップ初勝利と、決勝トーナメント進出を果たしました。
北朝鮮は1950年代後半から国家としてスポーツ再編に乗り出しており、代表選手の大半は100メートルを11秒台で走るスピードも持ち、足下の技術も正確だったと言われています。
大会前の評価があまりにも低かった北朝鮮代表ですが、世界にその実力を知られていなかっただけであり、この試合をジャイアントキリングと呼ぶにはふさわしくないのかもしれませんね。
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番狂わせ4 | 2002年フランス0-1セネガル
2002年に開催された日韓ワールドカップの開幕戦にて、ワールドカップ初出場のセネガル代表が、前回王者のフランス代表に1-0で勝利するという波乱が起こりました。
当時のフランス代表は、1998年のワールドカップ優勝に続き、ユーロ2000も制しており、日韓大会でも優勝の最有力候補に挙げられています。
フランス代表は大会直前に司令塔のジダンが負傷してしまいますが、フランス優位の前評判は動きませんでした。
試合はフランス代表の楽勝ムードで始まりましたが、終始主導権を握ったのはセネガル代表です。
統制の取れた守備をするセネガル代表に対し、フランス代表はボールを保持するも、ゴールに迫ることができません。
すると前半30分、センターサークル付近でボールを奪ったセネガル代表が鋭いカウンターで先制ゴールを奪います。
セネガル代表はこの虎の子の1点を守り抜き、歴史的なジャイアントキリングを果たしました。
絶対的な司令塔を失い、セネガル代表になすすべもなく敗れ去ったフランス代表ですが、スター選手が揃い過ぎていたことも敗因の一つとされています。
フランス代表のほとんどの選手が所属するクラブの中心として活躍しており、疲労困憊の様子を隠せていませんでした。
失点シーンを見ると、フランス代表のほとんどの選手は、セネガル代表のスピードについていくことができていません。
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番狂わせ5 | 2014年イタリア0-1コスタリカ
2014年に行われたブラジルワールドカップのグループリーグにて、コスタリカ代表がイタリア代表に1-0で勝利するというジャイアントキリングを果たしました。
コスタリカ代表がグループリーグで同居したのは、いずれも大会優勝経験のあるウルグアイ代表、イングランド代表、イタリア代表であり、前評判ではこの3カ国の争いになると考えられていました。
しかし大会が始まると、コスタリカ代表はウルグアイ代表に3-1と快勝し、最高のスタートを切ることに成功します。
対するイタリア代表も、イングランド代表との死闘を2-1で制し、第2戦のコスタリカ代表との試合を迎えました。
試合は拮抗した立ち上がりとなり、お互いになかなかシュートを打つこともできません。
0-0のまま前半が終了すると思われた44分、左サイドのクロスからFWが頭で合わせ、コスタリカ代表に待望の先制ゴールが生まれます。
後半、イタリア代表は積極的な交代策をとり同点ゴールを目指しますが、焦りとは裏腹に攻撃が噛み合いません。
対するコスタリカ代表は、後半23分には完全にブロックを固め、1点を守り切ることを徹底しました。
そして、このままスコアが動くことはなく試合は終了。
ウルグアイ代表に続き、イタリア代表をも撃破したコスタリカ代表、イングランドを加えた4チームで最も劣ると思われていた前評判を見事に覆し、2連勝で早々にグループリーグ突破を決めてしまいました。
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番外編 | 2014年ブラジル1-7ドイツ
ジャイアントキリングではありませんが、サッカーファンに衝撃を与えた試合があります。
2014年に開催されたブラジルワールドカップの準決勝にて、ドイツ代表がブラジル代表に7-1で勝利した「ミネイロンの惨劇」です。
自国開催のワールドカップで優勝が義務付けられていたブラジル代表ですが、エースのネイマールは準々決勝で負傷、キャプテンのチアゴ・シウヴァも累積警告で出場停止となっていました。
中心選手を欠いたブラジル代表ですが、キックオフ直後から立て続けにチャンスを作り出し、ドイツ代表にプレッシャーをかけます。
しかし、ドイツ代表はこれをまったく意に介しませんでした。
ドイツ代表は前半11分にコーナーキックから先制ゴールを奪うと、前半23分にはドイツ代表に決定的な2点目が決まります。
絶対勝たなければいけないプレッシャーの中で、開始早々に2点を奪われたブラジル代表は完全にパニックに陥り、2失点目からの6分間でさらに3失点を喫するという、「魔の6分」を過ごすことになりました。
前半を0-5で折り返したブラジル代表は、後半開始から反撃に出ますが、先にゴールを奪ったのはドイツ代表です。
ドイツ代表は後半24分、後半34分ゴールを奪い、この時点でスコアは0-7。
ブラジル代表は試合終了間際の90分に1点を返しましたが、そこで試合は終了。
ブラジル代表選手はホームのサポーターからの大ブーイングを浴び、涙を流し、神に祈りながら会場を後にしました。
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まとめ
ワールドカップで起こったジャイアントキリングを紹介し、ジャイアントキリングが起こった理由についても考察してみました!
今後開催されるワールドカップでは、今回紹介した試合を超えるジャイアントキリングがおきるのか、2022年11月から開催されるカタールワールドカップでは、日本代表がスペイン代表、ドイツ代表と対戦することが決まっています。
大会優勝経験のある2チームに日本代表が快勝する、そんなジャイアントキリングが見られることを期待したいですね(^^)/
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